以下『Johnny’s DREAM IsLAND 2020→2025 ~大好きなこの街から~』関ジャニ∞単独公演・8月8日公演のセットリストとライブレポートです。
セトリ順を追ってのレポートとなってはおりますが、まとめて書いている楽曲もございます。また、敬称等は省略させて頂いておりますのでご了承ください。
関ジャニ∞単独ドリアイ・セットリスト
1.好きやねん、大阪。
2.TAKOYAKI in my heart
3.モンじゃい·ビート
小MC
4.マーメイド
5.Do you agree?
6.Eden
7.Butterfly I Loved
エイトレンジャー
8.ER
MC
9.いつか、また…。
10.友よ
11.象
12.勝手に仕上がれ
13.LIFE~目の前の向こうへ~
14.Re:LIVE
アンコール
15.Cool magic city
ライブレポート
関西出身のジャニーズ事務所タレントで開催される『Johnny’s DREAM IsLAND 2020→2025 ~大好きなこの街から~』(以下、ドリアイ)。
2020年7月28日「なにわの日」に行われた総勢70名の関西ジャニーズ大集合公演から始まり約一か月に渡って配信予定のこのイベント、
8月8日には関ジャニ∞が松竹座から生配信を行った。
グループ名にちなんでこれまでも同日を「エイトの日」と称しファンが盛り上がり、イベントや企画を行ってきた関ジャニ∞が、
今年は故郷である大阪松竹座からのライブ公演を届けることに。
ライブ数日前にはメンバー・大倉忠義の体調を考慮した公演不参加の発表もあり、残るメンバー4名でどのように魅せるのか、楽しみと寂しさを抱きながら開演を迎えることとなった今回の公演。
そんなファンの不安を受け止めるかのように、OPでは大倉の顔団扇を身に着け登場した横山裕、安田章大、丸山隆平、村上信五。4人が松竹座の楽屋や通路口、裏側からゆるりとした会話を繰り広げながら配信を始める。
楽屋の名前を「ジャニー喜多川」とする演出や、以前使用した小道具をそのまま利用する様子をふとした合間に含めるなど、お世話になった環境への気配りと、茶目っ気を欠かさないのがなんとも彼ららしい。
通路に貼られたデビュー前の舞台公演「ANOTHER」のポスターを見ながら、別の道を進むことになった内博貴、錦戸亮、渋谷すばるや、長く活動を共にした後輩Jr.浜中文一の名前も交えた当時の思い出話も語られる。
この舞台が公演されていた頃には、大倉の名前は現メンバーから一人離れており、ポスターのずっと下の方に見つかった。
ほんの少し何かが違えば今、私たちが目にしている関ジャニ∞の姿は存在さえしなかったのかもしれない。そんなことも感じ、ここまで続いてきた彼らの歴史と続けようとしてくれるファンへの愛に胸が打たれる瞬間だった。
エレベーターで舞台袖のフロアに移動し「さて、これから」というタイミング、OP直後からずっと大倉の団扇で顔を隠していた横山がついに姿を現し、松竹座カラーに染めた美しい金髪をさりげなく披露。
予期せぬビックサプライズのプレゼント、そしてかつてよく見た髪型に、ファンは大歓喜。安田の予想通り、Twitterのトレンド入りも果たす程の反響を生んだ。
「収録か生かどっちやと思う?」と、終始投げかけ配信ならではのワクワク感も忘れない。そんなおふざけのネタばらしから、村上の曲フリで始まった一曲目は「好きやねん、大阪。」。
懐かしの太陽マークの付いたマイクスタンドでのパフォーマンスは、不在の大倉のためにセンターポジションが空けてあった。
ここからは怒涛の大阪メドレーが続く。「TAKOYAKI in my heart」でメンバー紹介を兼ねた強烈な関西節と丸山の笑いを、続く「モンじゃい・ビート」ではポップで気さくな彼らを見せ、関ジャニ∞らしい明るく前向きな楽曲たちを届けた。
着用している衣装はデビュー時に使用していた青色の法被。「浪花いろは節」の歌詞が描かれたデザイン、裏地が無く背景が染みてしまっている様子からは当時の彼らの環境がありあり感じられる。
既に見どころ満載の公演幕開けであったが、ここでは他にも注目ポイントが。
「モンじゃい・ビート」曲中に映った客席の、村上さんの個人団扇が一面に配されたゾーン。なんとここで使われている写真は、この日のためだけに撮りなおした限定物ばかりというこだわりも。
スタッフの遊び心が光る演出、ペンライトまで紫色で統一してみせる徹底ぶりに思わず顔がほころぶ。
少しのMCを挟んだ後には、「8月8日だからこそ」のメドレーが始まる。大倉考案のセットリストを4人で少しアレンジしつつ考えられたという曲目は、どれもこれも松竹座での思い出、そして懐かしさの感じるものばかりだ。
2009年のコンサート以降久々の披露となった「マーメイド」、後輩に歌い継がれることも多く長く愛される「Do you agree?」、Jr.時代から歌い続けている「Eden」といった関ジャニ∞結成初期、デビュー時によく歌われていた楽曲のオンパレード。
さらにその中に大倉が昔から歌い、作詞も手掛けたソロ曲「Butterfly I loved」を急遽盛り込み4人でカバーしてみせた。
かつてよりその曲に言及することも多く、自身のソロコンサートでカバーした経験も持つ横山の思い入れも感じさせる、粋な選曲だ。
クールに決めた一曲の後には、安田のナレーションと共に松竹座と関ジャニ∞の夏を振り返る映像が流れる。
若かりし頃のメンバーの歌い踊る様子や、ぎこちなく台詞を話す村上は、今では見慣れない程にフレッシュだ。
舞台作品、楽曲、衣装、演出等これまでの月日を辿り色々な思い出を蘇らせていく中、もちろん、関ジャニ∞の歴史には欠かせない彼らの名前も思い浮かばれた…
聞き馴染みのあるイントロに合わせ、暗闇から姿を現したのは∞レンジャー。
テーマ曲を歌いながら、センターポジションを奪うために子競り合うような器の小さな彼らの様子は時が経てども変わらない。
時には先代センターのエピソードも交え、人数が減り少し寂しくなった∞レンジャーの現状を皮肉りながら、どんなことも笑い話に変えていく。
現・ジャニーズWESTの桐山照史、中間淳太がJr.時代のユニットB.A.D.として請け負っていた悪役「B.A.D.団」も15年ぶりに登場するなど、ファン心をくすぐる展開も。
徹底的にふざけていながらも、どこか可愛げがあるゆるゆるとした∞レンジャー。関ジャニ∞の笑いを支えてきた彼らのコントは、今年ももれなくファンに優しい笑顔を届けてくれた。
コント後にはヒーロースーツのそのままで持ち場につき、彼らがモチーフとなった映画『∞レンジャー』の主題歌でもある「ER」を歌唱し、初期モデルであり今回着用しているスーツやヘルメットの裏話を繰り出しながら、MCに移る。
メンバー間での会話だけでなく、ライブ中に投稿されたチャットメッセージに応える時間もあり、韓国やイギリスなど海を越え時差をも気にせず視聴してくれるファンへ感謝を伝える等の配信ならではの一幕も見られた。
丸山の一発ギャグや朗らかなトークが進む中、安田がギターをセットして次の楽曲演奏の準備が始まる。
近年の関ジャニ∞のライブでは定番スタイルとなったバンド演奏、その起源となったアコースティック形式のパフォーマンスを原点となる松竹座で行うようだ。
優しいギターの音色に合わせ、歌われたのは「いつか、また…。」。過去に歌唱された頃とは一味違った、心に染み入るメンバーの声がそこにはあった。
「いつかまた日常に戻ったらまたライブがしたい」そんな意味でも受け取れるこの一曲は、年を重ねた今の彼らだからこそ伝えられる魅力を添えて、これまでにはなかったメッセージ性を帯びている。
客席を飾るペンライトの明かりが様々な事情からグループを去ったメンバーのカラーになっていたのも、この曲の歌詞で歌われるような想いから生まれた演出だったのかもしれない。
歌唱後の穏やかな流れをそのままに歌った、5人体制になって初の楽曲「友よ」がなお一層心に響く。
熱く歌い上げ振り返ると閉じられていた緞帳が開き、馴染みのバンドセットが登場。
モノクロに仕上げられたハードな画面の中では「象」が歌われている。
いつも大倉がいる位置には、この日はサポートのドラムが入っていたため映像に移るのは演奏する4人の姿のみ。しかし、ドラムセットの前には大倉のぬいぐるみが置かれ、不在ながらもどこかにその大きな存在を感じられた。
そして賑やかな歌詞テロップに彩られ画面越しにも盛り上がれるよう演出された「勝手に仕上がれ」、バンド形式での初シングルとなった思い出の曲「LIFE~目の前の向こうへ~」でまさにクライマックスの盛り上がり。
観客は居らずとも、これぞライブ終盤という熱気溢れる流れを見せつける。
公演最後の一曲に選ばれたのは、ファンクラブで募集したエピソードを元に作詞された「Re:LIVE」。
作詞クレジットの記載もEight×Eighterとなっているように、彼ら自身や応援するファン、支えてくれるスタッフ等様々な立場の思いを映したこの楽曲。歌唱中には寄せられたたくさんのメッセージが松竹座の壁に映し出される演出もあった。
グループの活動に困難が訪れながらも前を向き、ファンの思いもしっかり受け止めようとする関ジャニ∞の姿はとても逞しく、格好いい。
一旦の幕閉めの後、画面越しのアンコールの声を信じ再び登場した彼らは
今回欠席した大倉忠義の顔写真が施されたTシャツに着替え「Cool magic city」をまたまた久々に歌唱する。
アンコールらしくバックに付いてくれていたジャニーズJr.たちも交えての和気あいあいとした空間を作り上げ、笑顔で配信は終了。
約1時間半の公演は恒例の「最強で最高の関ジャニ∞」の掛け声とともに締めくくられた。
楽曲も、演出も、ふとした瞬間の会話の中にも、いたるところに関ジャニ∞のこれまでが散りばめられ、懐かしさ満載だった今回のライブ。
決して長くはない配信時間でありながらも、盛沢山な内容で見ごたえも満足度も十分であった。
大倉の不参加もあり、どのような内容になるのか不安もある中スタートしたこの日の公演であったが、始まってみればメンバー思いの彼らの優しさと、見ている人を楽しませようとする気概で溢れたいつもと変わらぬ楽しい時間を届け。彼ら久々のライブを楽しみにしていたファン達が「寂しがる姿を見なくて済むよう」メンバー4人で全力でやりきっていた。
16年にもなるキャリアの長さが力となってか、予測不能な緊急事態にももろともせずに、どっしり構える関ジャニ∞の未来は明るい。
「いつかまた」今までのようなライブ公演ができることを願って、そして次はメンバー5人で揃ったパフォーマンスが堪能出来ることを楽しみにして、不測の事態下にある今の状況も乗り越えていこう。
コメント